天神山城(てんじんやま)
 別称  : 天神山塁、天神山砦
 分類  : 平山城
 築城者: 不明
 遺構  : 堀、土塁
 交通  : 京王線仙川駅または京王井の頭線三鷹台駅
      からバスに乗り、「新川天神山青少年広場」
      下車すぐ


       <沿革>
           『武蔵名勝図絵』の天神山の項に、「東西に堀切の空湟あり」とあるが、詳細は不明である。

       <手記>
           天神山城は、史料には現れませんが、遺構は比較的はっきりした城跡です。仙川に囲まれた
          細い尾根先を利用し、尾根筋を堀切で断っただけの小城砦ですが、堀には横矢折れのような
          屈曲がみられます。掘った土は城内側に土塁として盛られ、小規模ながら造成のようすが鮮明
          にみてとれる、都内市街部では数少ない史跡といえるでしょう。
           この堀切の規模に比して、主郭とみられる広場一帯はほとんど削平されていません。このこと
          から、天神山城は尾根筋を掘って盛って掻き上げただけの、臨時の陣城だったのではないかと
          推測されます。現地説明板でも示唆されいてる通り、天文六年(1537)に扇谷上杉朝定が重臣
          難波田弾正を深大寺城に配したころに、合わせて整備された可能性が考えられるでしょう。
           一方で、仙川の向かい側には金子氏の居館跡とされる島屋敷があります。あるいはこちらとの
          関連も容易に想起されますが、実際のところは不明といわざるを得ません。

           
 仙川越しに天神山城跡を望む。
主郭のようす(天神山青少年広場)。 
 主郭から島屋敷跡を望む。
城内の説明板。 
 主郭背後の堀切と土塁。
主郭の切岸。 


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