袋城(ふくろ)
 別称  : 清水城、清水袋城、浜清水袋城
 分類  : 平城
 築城者: 武田信玄
 遺構  : なし
 交通  : 静岡鉄道静岡清水線新清水駅徒歩15分


       <沿革>
           『武田三代記』によれば永禄十二年(1569)、『駿国雑志』では同十三年(1570)に、武田信玄
          の下命で馬場美濃守信春が縄張り・築城したとされる。同十一年(1568)の駿河侵攻に際して、
          信玄はやはり信春に命じて江尻城を築かせており、駿河の今川領をある程度掌握したところで、
          水軍の建設とその拠点構築を図ったものとみられている。
           武田氏が滅亡すると、駿河の武田水軍は徳川氏に継承されたが、袋城の詳しい扱いについて
          は定かでない。ただし、城自体はその後も存続していたようで、慶長十九年(1614)に駿府城
          大御所となっていた徳川家康の命によって廃城となった。城跡は堀を埋めて清水の町場とされ、
          今日に至っている。


       <手記>
           上述の経緯より、袋城の遺構は残っていません。上の図に示した地点にある上総稲荷神社の
          門前には、ほとんど掠れて「旧袋城の石」と白書された石が置かれています。
           『日本城郭大系』によれば、巴川に突き出て埋め立てられた扇状の城だったようで、さながら
          長崎の出島のようなものだったのでしょう。陸地との接点は1か所のみで、そこには角馬出しが
          設けられていたそうです。

           
 上総稲荷神社。
神社門前にある「旧袋城の石」。 
 神社付近から巴川の流れを眺める。


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