辰市城(たついち)
 別称  : なし
 分類  : 平城
 築城者: 筒井順慶
 遺構  : なし
 交通  : JR奈良駅または近鉄奈良駅からバスに
      乗り、「東九条町」下車徒歩5分


       <沿革>
           松永久秀に居城の筒井城を逐われた筒井順慶は、叔父の福住順弘を頼って雌伏して
          いたが、元亀元年(1570)に窪之庄城を奪回した。翌二年(1571)、順慶は久秀との決戦
          を期して、辰市城を築城した。
           同年八月四日、久秀・久通父子は多聞山城および信貴山城より出兵し、辰市城へ攻め
          かかった。塀を引き倒し堀を埋め、当初は松永勢が優位に戦いを進めていたが、順慶の
          援軍が集まり出すと、筒井勢が押し返して激戦の末に勝利した(辰市城の戦い)。これに
          より、順慶は織田信長の後ろ盾もあり、大和国における地位を確立した。
           その後の辰市城については不明である。


       <手記>
           辰市幼稚園周辺が辰市城跡となっているのですが、同幼稚園は2019年に統廃合され、
          新しく「辰市こども園」として杏町に移転したようです。私が訪れたときには、門のプレート
          が「南部公民館東九条分館」となっていました。
           いずれにせよ、城の遺構らしきものは見当たりません。一時的な陣城であり、勝利した
          後は用済みとして放棄されたものと推測されます。


辰市城跡(現・南部公民館東九条分館)。


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