出城(で)
 別称  : なし
 分類  : 山城
 築城者: 北条氏政か
 遺構  : 堀、削平地
 交通  : JR沼津駅からバスに乗り、
      「内浦学校前」下車徒歩60分


       <沿革>
           現代になって確認された城跡であり、史料や伝承にはみられない。長浜城三津新城
          発端頂砦とともに、武田氏と対立した後北条氏によって天正七年(1579)ごろに築かれた
          と推測されているが、詳細は不明である。


       <手記>
           伊豆半島内浦湾の背後にそびえる発端丈山の稜線上の1ピークに築かれています。
          下れば三津新城、上れば発端頂砦があります。どちらに対する出城なのかは明確では
          ありませんが、規模からみれば前者と考えるのが順当でしょう。ただ、いずれにせよ当時
          どう呼ばれていたかは不明です。
           縄張りは、ピークを均して曲輪とし、背後の尾根筋を2条の堀切で断っただけの単純な
          ものです。主郭下周辺については、曲輪形成されているかどうか判然としません。主郭側
          の堀切は石塁が崩れたように法面に中くらいの石が散乱しています。あるいは、主郭の
          斜面には当時石垣が設けられていたのかもしれません。
           出城とはいうものの、前後の2城と比べると収容人数は少なく、防御能力も高いとはいえ
          ません。ちょうど三津新城と発端頂砦の中間にあることから、両城の連絡を確保するため
          の中継点程度の砦であったものと思われます。

           
 最後尾の堀切。
主郭背後の堀切。 
 主郭背後の堀切上部に散乱する石。
 主郭の石塁跡か。
主郭先端側の斜面。 
 主郭のようす。


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