浅間社城(せんげんしゃ)
 別称  : なし
 分類  : 山城
 築城者: 不明
 遺構  : 土塁
 交通  : 野口城跡から徒歩で15分


       <沿革>
           野口城から尾根を800mほど遡ったところに富士塚があり、中世の狼煙台であったと
          伝わる。


       <手記>
           野口城の最後尾の二重堀切を抜けると、少し先にもう1つ堀切状の横溝があります。
          ただ、両サイドも竪堀状とはいえ斜面が緩やかなので、堀というより昔の峠道だったの
          かもしれません。そこから尾根道をひたすら歩いていけば、いつかは辿り着くのでよい
          ので迷うことはないですが、薄暗い山道で、視界はあるものの熊や猪が出てもおかしく
          はなく、とにかく孤独で精神面を削られます。ロンリーな気分でひたすら登っていくと、
          やがて切岸状の人工斜面に至ります。それを登って少し行くと、ようやく立派な富士塚
          が現れます。
           登ってみると頂部はすり鉢状になっていて、たしかに狼煙台というのは首肯できます。
          一方で、富士塚と浅間社という組み合わせから江戸時代の富士講に関連する施設とも
          考えられますが、信州に富士講があったかというと可能性は低いのかもしれません。
           富士塚の下はやや広い空間となっていますが、前出の切岸状斜面のほかには造作
          がみられず、城砦化はされていないようです。周辺諸城の規模や位置関係を鑑みるに、
          福与城と野口城・守屋山城を結ぶ純粋な狼煙台だったものと推察されます。

           
 野口城背後の二重堀切の先にある
 堀切状の横溝。堀というより峠道か。
堀切状地形のサイド。 
 浅間社城へ向かう道中。
富士塚手前の切岸状の人工斜面。 
 富士塚。
富士塚の頂部。 
 富士塚から麓を俯瞰。


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