有東砦(うとう)
 別称  : なし
 分類  : 平山城
 築城者: 福島氏
 遺構  : 削平地、土塁
 交通  : JR静岡駅徒歩25分


       <沿革>
           今川氏重臣福島氏(くしまし)が築いたとされる。福島氏は美濃源氏流山県氏の庶流で、
          美濃国大野郡福島郷を本貫とするとされる。今川氏に仕えた経緯は定かでないが、遠江国
          高天神城を居城として勢力を拡大したといわれる。そのため、有東砦は今川家重臣として
          駿府に有した屋敷に伴う詰城と推測される。
           福島氏は天文五年(1536)の花倉の乱に際し、福島助春の女を母にもつ玄広恵探を擁立
          し、栴岳承芳(今川義元)派に敗れて没落した。有東砦もこのときに廃されたとみられるが、
          詳細は不明である。一説には、天文十年(1541)に甲斐から追放された武田信虎が有東砦
          を駿府における居所としていたともいわれる。


       <手記>
           八幡山城跡とされる八幡山の南側にある有東山が有東砦跡です。山とはいってもほんの
          小丘で、南側中腹の有東神社から登ると、主郭跡とみられる小さな公園があります。園の
          北辺には土塁が残っており、その脇からは北側中腹の金剛寺へ下りる旧道らしき踏み分け
          道が付いています。北西中腹には墓地があり、あるいは腰曲輪をそのまま使っているように
          見えますが、断言まではできません。

           
 八幡山中腹から有東砦跡を望む。
有東神社。 
 神社から山頂へ向かう踏み分け道。
 旧道か。
山頂のようす。 
 主郭の土塁か。
土塁脇の虎口状地形。 
 北側中腹の墓地を俯瞰。
 腰曲輪跡か。


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