陣ヶ平砦(じんがたいら)
 別称  : なし
 分類  : 山城
 築城者: 不明
 遺構  : 曲輪、堀、土塁
 交通  : JR高山本線飛騨国府駅徒歩40分


       <沿革>
           明確な遺構は残るが、史料にはみられず詳細は不明である。


       <手記>
           宮川右岸の山塊の一峰に築かれた城砦です。同じ山稜には、西端の山崎城からはじまる
          城砦群が点在し、一般には天正十三年(1585)に対岸の広瀬城高堂城に籠もる姉小路
          頼綱軍と対峙した金森長近勢の陣城とみられていますが、確証はありません。
           南西麓の住宅地角から上がると農業用水沿いに道があり、途中で獣除けフェンスのゲート
          を抜けて適当なところから直登しました。住宅街北西に作料清水という湧き水があり、車は
          ここに止められます。ちなみに、作料清水は飲用可能なので、空の容器を持って行くとよい
          でしょう。
           城内は主郭から前方に数段の削平地が緩やかな段築となって並んでいますが、前方側に
          堀などの造作はみられません。他方で、主郭の背後は三重堀切となっていて、前方に比べ
          かなり厳重となっています。中山砦跡境の峰城跡の間の稜線を南に折れて下っても堀切
          までアクセスできそうですが、未確認のうえ分岐を迷う可能性がありそうです。
           陣ヶ平砦は上記のように前方には堀などの施設がなくきわめて脆弱で、背後の三重堀切
          も最後尾の3条目は他の2本に比べてかなり浅く未完成な印象です。名称の通り、一時的な
          城砦であった可能性は高いと思いますが、かといって金森氏が築いたとすると、いかに短期
          の戦いであったとはいえ造りが単純で、対峙する正面側が脆弱である点が気になります。
          個人的には、東方の光寿庵砦と共に、最盛期の江馬氏によって築かれたのではないかと
          推察しています。

           
 麓からの登城口。
直登中。 
 城内前方部分の段築地形。
前方部分を上から。 
堀などはなく脆弱な印象です。 
 中心部の段築地形。
主郭のようす。 
 主郭背後の土塁。
土塁裏手の堀切。 
 同上。
三重堀切の2条目。 
 同上。
三重堀切の3条目。 
 おまけ:作料清水
 飲用できる上、車もここに止められます。
おまけA:作料清水の近くにあるこう峠口古墳。 


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